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第2回 広島大学の掲載記事(R3.11.25掲載)への感想・質問

 ふるさと枠入学者1-4年生(合計72名)に対する毎週水曜日のランチョンセミナーやグループワークは、指導教員の情熱を感じるすばらしい取り組みと思います。
 一般枠入学者の中にも地元高校出身の学生も多いと思いますが(全体の55%が広島出身でふるさと枠は全体の15%)、これらの学生も参加できるような仕組みにしているのでしょうか?

 また、今後、ふるさと枠に県外高等学校出身者を入学可能とする可能性は検討していますでしょうか?

ふるさと枠の卒後9年間の義務年限のうちの4年間のうち、中山間地で勤務する時期(卒後何年目など)について指定があるでしょうか?

 広島県は277万人の県民人口の中で、毎年270名ほどの医学科進学を果たしています。広島大学として高校生を対象とした活動をされているでしょうか?
                                      (新潟大学)

【広島大学からの回答】

【質問1.】
 ふるさと枠入学者1-4年生(合計72名)に対する毎週水曜日のランチョンセミナーやグループワークは、指導教員の情熱を感じるすばらしい取り組みと思います。

 一般枠入学者の中にも地元高校出身の学生も多いと思いますが(全体の55%が広島出身でふるさと枠は全体の15%)、これらの学生も参加できるような仕組みにしているのでしょうか?

【回答1.】

 本学の取り組みにご関心を寄せて頂き、ありがとうございます。ご指摘のセミナーにつきまして、ふるさと枠学生の出席は必須としておりますが、一般入学の学生に対しては特に周知等しておらず、現在参加者はございません。もちろん断っているわけではありませんので、過去に自ら希望して参加し続けた一般学生もおりましたが、ごく少数です。

【質問2.】
 今後、ふるさと枠に県外高等学校出身者を入学可能とする可能性は検討していますでしょうか?

【回答2.】
 幸い今のところ、県内高校出身者のみで定員を充足できていることから、県外に門戸を広げる予定はございません。

【質問3.】
 ふるさと枠の卒後9年間の義務年限のうちの4年間のうち、中山間地で勤務する時期(卒後何年目など)について指定があるでしょうか?
【回答3.】
 指定はございません。なるべく早く、と各医局にお願いしておりますが、専門医取得のため中山間地勤務、特に中山間地の小病院勤務が後回しにされてしまう傾向はございます。本人のキャリアを考慮し、広島県としては医局および本人に無理強いはしておりませんが、一部の中山間地病院や自治体からはまだ医師が来ないのかと督促を受けている状況もあり、課題として認識しております。

【質問4.】
 広島県は277万人の県民人口の中で、毎年270名ほどの医学科進学を果たしています。広島大学として高校生を対象とした活動をされているでしょうか?

【回答4.】
 広島県が特別医学部進学者が多いとは認識しておりませんでした。高校生に医学部進学を促すような活動もないと思われます。もし多いのだとしますと、それは伝統的に私立と国立の中高一貫校が進学に強く、医学部合格者のほとんどがこれら一貫校から出ていることと何か関係があるかもしれません。進度が早く、6年かけて受験の準備をするような学校に県内の優秀層が集中しておりますので、県外の高校生に比べて多少有利に働くのかもしれません。
 


第1回 佐賀大学の掲載記事(R3.10.25掲載)への感想・質問

 若年層医師の減少、勤務医・開業医の高齢化などは多くの県に通じる課題であり、「総合的な診療能力を有する医師の育成」が求められているところは首肯するところです。
 指導医側の意識の変革はとても重要で、指導法やマネジメントの習得が大事と感じます。一方で、指導医層の(中堅医師)心理的、身体的負担が増えることもケアの対象となる印象があり、指導を受ける若い医師だけでなく、中堅層も新しい教育を受ける機会やサバティカルのようなフィードバックがあると、長期的なやりがいに繋がるのかな、とも感じました。この点について、検討されている点がありましたらご教示ください。
 佐賀県のように医師多数県であっても、2016年→2018年の間の医師数の増加が1名に留まっていること、更に医師の定着を図るべく様々な工夫をしていることに驚きました。また全国的には恐らく需要が減ると認識されている「高度急性期機能」について、佐賀県では需要増加を見込んでいるというのも驚きました。この点に関連して、下記に佐賀県の平成30年度病床機能報告の結果が載っています。

https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00371358/index.html

 5つの二次医療圏のうち2つで2025年に向けて高度急性期の病床を増やしたいという予定が挙げられています。また佐賀県が出している「令和元年度、2年度病床機能報告等の集計結果」(下記URL)にも詳細なデータが載っていますが、高度急性期病床の充足率は医療機関の希望から計算されたものなのか、人口動態から割り出された必要数なのか、よく分かりませんでした。この資料の5ページの必要病床数で高度急性期の充足率は確かに極端に低い数値なのですが、一方で8ページでは、病床利用率は高度急性期が最も低くなっているあたりに解離を感じました。

https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00380320/3_80320_203507_up_k3ks02bk.pdf

 どういった背景があるのかご教示いただけるとありがたいです。
                                         (新潟大学)

【佐賀大学からの回答】

ご意見、ご質問誠にありがとうございます。
 確かに医師臨床研修制度が必修化されたことにより、研修医の指導のみならず、従来各診療科の研修医が一部を担っていた臨床実習生の屋根瓦的指導も、その診療科の中堅医師の仕事になった印象があります。少なくともこれまでのように、臨床現場で忙しい中堅医師に、学生や研修医の指導すべてを押し付けることは考え直す必要があります。

 臨床現場の指導医の負担を減らすためには臨床医である教育専任指導医の存在が必要と思われます。現場の中堅層と同じ目線に立ち、共に教育を行い、共に医師の確保を考え、医局員を増やすことが、中堅層の長期的なやりがいに繋がると考えております。

 現在佐賀大学では個人の活動実績報告、自己点検評価に関して、教育業績もアピールできるようになっていますが、残念ながら研究業績の時のような論文数やインパクトファクターといった指標がありません。臨床現場の指導医に関しては、教育業績を正当に評価することが必要と思われます。


 佐賀県の医師需要に関しては、次の3つの視点から高度急性期機能の需要増を見込んでおります。ご参照ください。

①高度急性期の入院需要
 2013年に比較し2025年~2040年の高度急性期医療の需要が高い状態が続くこと。(以下資料参考)

②疾患別の入院需要

 2035~2040年まで循環器系・呼吸器系・損傷その他の疾患の入院需要が増加する推計が出ており、待てない急性期(脳卒中・心疾患・外傷)の需要増に対応できる体制を整える必要があると考えられること。

③将来人口推計

 75歳以上の人口が2035~2040年頃にピークを迎える推計が出ていること。

 
図1.佐賀県
(地域医療構想策定支援ツールより)
 
 
図2.新潟県 (参考比較)
(令和3年度第1回医療政策研修会及び第1回地域医療構想アドバイザー会議に
おける資料5-1、「地域医療構想に関する新潟県での取り組み状況と課題」9Pより)