これから研究医を目指す学生が自分を語ります。
*第14回*  (H24.12.26 UP) 前回までの掲載はこちらから
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今回は長崎大学医学部医学科6年の新宮啓太さん、榛葉頼子さん、水野貴基さんです。
   「法医学研究医コースに所属して」
               長崎大学医学部医学科6年 新宮啓太 榛葉頼子 水野貴基
     

 私たちはそれぞれ4年生以降に法医学教室の研究医コースに所属し、2年または3年間にわたって研究活動をさせていただきました。研究医コースの修了に際し、これまで過ごした研究医コースの学生生活と、その間に得ることのできた貴重な経験について述べさせていただきます。
 研究医コースの学生生活を端的に表現すると、一般的な医学生の生活プラス研究活動、だったと思います。マイナスはありません。皆が普段の授業はもちろん、部活やアルバイトなどをしており、研究するためにその他の課外活動の時間を削るということはなかったです。研究活動は主に部活などがない日や終わった後の夕方以降に行い、夜遅くまで研究を続けるということがしばしばありました。時には実験を終え、先生方や同じコースの先輩後輩、友人たちと飲み会をすることもあり、それは実験後の楽しみの一つでもありました。また、実験以外に、法医解剖へ参加させていただいたことも法医学教室の特徴であったと思います。実験をするだけに留まらず、実務も経験し、研究の意味や目的を自らが考える機会に溢れたコースだと思います。

 このコースに所属して以来忙しくなったことは確かです。しかし、新しいものを自分で探求し、それによって他にはない知的興奮を味わい、学生の時期に研究のおもしろさを肌で感じることができた日々は、非常に充実した毎日であったと思います。将来的に皆それぞれの進路があるかと思いますが、学生の時期に「研究」を通して学ぶことが将来の可能性を広げてくれることは間違いないと確信しています。

 さらに研究を通して得られた経験について詳述したいと思います。正直なところ枚挙に暇がないほどですが、あえてあげるとすれば、実際に自分で実験を行い、その結果をまとめ、考察し、発表するというプロセスを数多く体験できたこと。そして、その成果を国内外の学会で発表する機会をいただき、日本中はもちろん、世界中の先生や学生と交流を深め、学問の最先端を知れたことがなにより貴重な体験であったと思います。中には、国際学会で表彰をうけた仲間もおり、このことは今の私たちでも立派な研究ができるという自信にも繋がりました。

 また、実験の結果を考察する際に、自分一人の解釈だけでは気づかない事実が隠れていることがあります。私たちはそれを学生と、教室の先生と、他大学の先生と議論して発見するという手段を得ました。学生の時期に科学する手段に幅を持たせる方法を知れたこともまた、大きな学習であったと思います。今、世界を視野にこれからの医師としてのスタートに立つことを考えると、とてもわくわくする思いです。百聞は一見にしかずと言いますが、このコースでの経験がどれほど魅力的で自分を高めてくれるものか、是非多くの学生に味わってほしいと思います。

 最後になりますが、私たちをずっと熱心に指導し、研究を支援してくださった多くの方々に感謝のことばを述べ、研究医コースの感想とさせていただきます。ありがとうございました。