これから研究医を目指す学生が自分を語ります。
*第51回*  (2019.4.25 UP) 前回までの掲載はこちらから
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今回は東京女子医科大学研修医2年 関桃子さんです。

                        東京女子医科大学研修医2年 関 桃子
   

 2013年から設置された基礎研究医養成プログラムに医学部の5年次から入りました。私が初めて研究に興味を持ったのは、高校生の時でした。小学生の時から理科の実験が好きだったので、中学・高校ではいろいろな植物や生物を扱っている生物部に入部していました。生物部ではプラナリアやハエトリソウといった珍しい生物を飼育し、これらの生物の生態について調べたり、仮説をたてて小さな実験をしたりしていました。また高校の授業では人体がいかに精密に、そして理にかなって作られているかを知り感動し、より詳しく勉強したいと思い、ヒトに関係した研究に興味を持つようになりました。自分の興味があることを勉強することで、患者さんの役に立てるならと考え、医学部入学を決めました。
 1年次の生化学実習で、分からないことについて仮説をたて自ら実験するという実習があり、未知の事を論理的な展開でひも解いていくことの楽しさを知りました。医学生として勉強していく中で、医学ではまだわかっていないことが多くあり、医学は今後も発展が望まれる分野と感じました。また、基礎研究をする中で論理的な思考の展開ができれば臨床医としても生かせることが多くあると考え、基礎研究医養成プログラムへの参加を決めました。その動機は、基礎研究に興味があったことと、基礎研究を行う中で論理的な思考の展開ができるようになりたいと思ったことです。

プロジェクトでの実績
 医学部5年次から病院実習の後など時間がある時には生化学教室に出入りさせていただくことになりました。病院実習の選択では、同教室を選択し1か月間朝から晩まで実験をさせていただく機会も与えて頂きました。生化学教室では、赤血球膜に関する研究がおこなわれており、私も老化赤血球の貪食のメカニズムに関して実験を開始し、今後論文を作成できるよう現在実験を続けています。

養成コースに参加して思ったこと
 研究は、毎日継続して何度も繰り返し実験を行うこと、またでてきた結果に対して時間をかけて考察することが重要で、膨大な時間がかかることであると改めて痛感しました。学部生・初期研修医としての勉強や仕事との両立が難しく、これまで自分が満足する実験をすることが出来ませんでした。しかし、時間がある時に少しずつではありますが、研究室の先生に論文の読み方やデータの見方、論理的な思考展開を教えて頂きながら学部生・研修医として過ごすことができ、医学の勉強や臨床の勉強を自分だけではできないような視点から学ぶことができました。

将来の抱負
 来年度からは研究室に所属し、大学院生として毎日研究をしながら過ごすことができます。これまで、研修医として臨床に携わる中で学んできたことや疑問に思った事も自分の今後の研究のテーマに活かせたらと思っています。
 医師として医療に貢献する分野として、学部生の時から興味があった腎臓内科を選択しました。大学院を卒業後は、医師として一人前に働けるように臨床もさらに勉強し、どんなかたちになるかは分かりませんが、研究と臨床をどちらもできたらと考えています。