これから研究医を目指す学生が自分を語ります。
*第18回*  (H25.7.19 UP) 前回までの掲載はこちらから
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今回は滋賀医科大学 3年生 金子 隼也さんです。

滋賀医科大学 3年 金子 隼也
 
研究サークルの活動の様子(左上が筆者) 
 

 私は滋賀医科大学の研究医養成コースの第一期生としてこの春から参加しました。この大学に入る前には薬学を学んでおり、その頃から研究には大変興味がありました。そこで、このたび研究医コースが設立されるということで積極的に参加することにしました。
 私自身は1回生の頃から解剖学講座に通い、研究に参加しています。私は、当時から学生と基礎研究との間に距離があると感じており、研究に興味のある学生がその壁に阻まれている現状は、とてももったいないことと思っていました。そこで、このような学生が少しでも基礎研究にアプローチしやすくなればと思い、昨年研究サークルを立ち上げました。
 最初の年には、研究室ツアーと称して基礎医学の研究室見学を新入生と一緒に行い、滋賀医科大学の基礎医学講座ではどのような研究が行われているのか、大まかに紹介することにしました。幸いにもそれが功を奏し、そのうち数名が研究サークルに興味を持ってくれましたので、ともに研究サークルの活動を始めることになりました。当初の予定では、最新の研究内容を話合ったり、自分のやっている実験について話合えるような場所として、研究内容の面白さを分かち合いながら、見識を深めていけるようなサークルにしようと考えていたのですが、入ったばかりの新入生にとって生物学の知識が結集された学術論文を読み進めるのはさすがに壁が高いと感じ、まずはMolecular Biology of the Cellの英語版の輪読から始め、科学英語になじんでもらうとともに、医学生物学の知識を深めていきました。サークル活動は夏休みに開始し、週一回ペースで進めてきましたが、やはり他のさまざまな活動と並行して行う学生も多く、ペースに無理があると感じて現在では月一回にしています。様々な活動で忙しいにもかかわらず、継続して意欲的に参加してくれる学生や、実際に研究室を訪ねて実験に参加している学生も多くいます。研究サークルを立ち上げてまだ間もなく、まだまだサークルとして未熟ですが、学生と研究をつなぐ役割をいくらか果たしつつあるのではと手応えを感じています。
 研究サークルの活動を通じてわかったことは、基礎医学研究に興味のある学生はもともとどの学年にも複数いますが、学生が自ら研究室へアプローチすることに多大な不安を抱えているということでした。研究に触れてみたいのですが、初対面で社会的に立場の高い先生方に一学生としてアプローチしていいものかどうかという気持ちが先行し、結局尻込みをしてしまうようです。また、研究をしたことがなく専門知識もない学生がいきなり研究室にお邪魔するのは心苦しいと遠慮している部分もあると感じています。
 このような、興味はあるけれどためらっている学生に参加を促すためには、身近な学生同士が研究経験を気軽に話せる状況をつくること、研究室での研究体験が気軽にできるという認識を持ってもらうこと、またその中で学生自身が必要な知識を補強し自らのアイデアを発展させられることが重要と思います。研究について内容や考え方や手法を勉強するためには、実際に参加して実験をする中で、先生方とのディスカッションなどを通して主体的に考えるのが一番近道であるように感じています。
 研究医コースに入ると、卒業後の自分たちの進路が狭まってしまうと考える学生は多く、参加をためらった末、結果的に卒業してから研究活動を始めるということになりがちです。ただ、実際の研究医養成コースはその逆で、進路の幅を広げる過程であると捉えるべきであり、研究医養成コースはそれを後押ししてくれるシステムと思います。まだ、始まったばかりで誤解があるのも仕方ないこととは思いますが、研究サークルの活動などを通じて、研究に興味のある学生と研究の面白さを共有していければと思い、これからも活動を続けていこうと考えています。