*第7回*  (H24.5.21 UP H26.9.29 更新) 前回までの掲載はこちらから
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今回は山梨大学での取り組みについてご紹介します。

山梨大学医学部における研究医養成への取り組み
(文責:山梨大学医学部免疫学講座教授•医学科長 中尾篤人 先生

 山梨大学医学部では、2006年に「ライフサイエンス特進コース」を創設、研究医をめざす医学科学生に対し、6年間の研究医育成教育を行い、在籍学生の論文が国際的学術誌に掲載されるなど、着実な成果を上げてきました。その後、 2012年に「ライフサイエンス特進コース」を核とした学部と大学院を融合させた基礎研究医早期育成の新しい教育プログラムとして「リエゾンアカデミー」(http://www.med.yamanashi.ac.jp/liaison/)を創設しました。本プログラムは文部科学省「基礎・臨床を両輪とした医学教育改革によるグローバルな医師養成」事業による支援を受けています。
 「リエゾンアカデミー」では、医学科1年次生全員と3年次生以上の医学研究に興味を持つ希望者を募集し、当該年度の夏に学生と本プログラムに参加する基礎・臨床医学講座との希望をマッチングして学生の採用を決定します。
 希望する研究室に配属された学生は原則として各講座の方針に従って研究活動を開始します。ここで生命科学研究の基礎を学び、個別テーマに関して複数の教員より研究指導を受けることができます。研究活動は学生と教員が話し合って放課後、休日や学期間の長期休暇を利用して行います。また各講座で行われる抄読会、勉強会、セミナーなどに参加します。また特別教育カリキュラム(研究倫理や基本的な分子細胞生物学的手技についての講義など)や大学院講義、さらには外国人講師による英語の特別講座(イングリッシュサロン)への参加によって実践的英語力を培う機会も用意されています。さらには「冬季セミナー合宿(冬季リトリート)」を毎年開催しており、また東京大学、群馬大学、千葉大学とともに「関東4大学研究医養成コンソーシアム:夏のリトリート」を行い、他大学との連携も深めています。特別教育セミナーとして優れた業績をあげ活躍している学外の若手研究者を招いて学生のモチベーションをあげる試みも年に2回行っており学生に大変好評です。経済的な支援としてリエゾンアカデミーから年間数名に学会出張費を支給しています。また、活動状況が顕著であると認められた学生に関しては医学科の学費免除の規定もあります。
 
このような活動を通じて研究のプロセスを学生のうちから主体的に体験させることによって将来研究医として大きく羽ばたいてくれる学生が一人でも育ってくれることを我々教員一同は願っています。

   
   特別教育セミナーで講師と談笑する学生達