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掲載記事への  感想・質問コーナー
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各大学の掲載記事について、ぜひご感想・ご質問等をお寄せください。
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明記の上(お名前は掲載いたしません)、国立大学医学部長会議事務局(info*chnmsj.jp ←*を@に変えて
ください。)までお送りください。

 第11回 東京大学の掲載記事(R4.8.26掲載)への感想・質問 
1)地域医療構想における4病床機能と在宅医療を学生が満遍なく学修できるようにしているとのことですが、回復期や慢性期の病床を経験する機会について教えてください。
2)地域医療のICT化を視野に入れたICTを活用した診療参加型実習の開発について、具体例がありましたらお教えください。
3)これまでに他県の僻地医療拠点での研修の後、当該研修地域での専門研修を行ったという事例はあったでしょうか?
                                    (新潟大学)

【質問1.】
 地域医療構想における4病床機能と在宅医療を学生が満遍なく学修できるようにしているとのことですが、回復期や慢性期の病床を経験する機会について教えてください。
【回答1.】
 回復期や慢性期の病床経験については、地域医療実習、もしくは、老年病科など他の診療科の学外施設での実習において経験しております。

【質問2.】
 地域医療のICT化を視野に入れたICTを活用した診療参加型実習の開発について、具体例がありましたらお教えください。
【回答2.】
 現時点では具体的にお示しできるものはございません。実装すべき重要な検討課題と認識しております。

【質問3.】
 これまでに他県の僻地医療拠点での研修の後、当該研修地域での専門研修を行ったという事例はあったでしょうか?
【回答3.】
 本学の調査でわかっている範囲では事例は確認できておりません。

1)多職種連携教育は、とても有意義だと考えます。かなりの回数を実施しないと単位化は難しいと思いますが、どのように工夫されているのでしょうか。
2)オンライン診療を含めてICTの活用に積極的に取り組んでおられます。どうしても見学型実習になりがちではないかと懸念されますが、どのように診療参加型実習を目指されるのかご教示ください。
                                    (岐阜大学)
【質問1.】
 多職種連携教育は、とても有意義だと考えます。かなりの回数を実施しないと単位化は難しいと思いますが、どのように工夫されているのでしょうか。
【回答1.】
 本学は2年生の秋に医学科進学者が内定し、その時点から医学科の授業が開始されるため、限られた時間で数多くの事を学ぶ必要に迫られております。
 そのため、多職種連携教育については単独の科目としては実施しておらず、2年生については「チュートリアル」、4年生については「臨床導入実習」という科目の一部として実施しております。
 回数としては必ずしも多いとは言えませんが、その分内容や運営について工夫をするようにし、多職種連携教育の重要性やポイントについて学生が修得できるよう留意しております。学生からは、印象的であったというコメントを得ています。

【質問2.】
 オンライン診療を含めてICTの活用に積極的に取り組んでおられます。どうしても見学型実習になりがちではないかと懸念されますが、どのように診療参加型実習を目指されるのかご教示ください。
【回答2.】
 担当の指導教員と相談し、単なる見学にならないよう、なるべく双方向性を持たせ、アクティブラーニングになるようにしております。オンラインのもと、実際の身体所見、画像所見、検査所見などから臨床推論や治療方針の立案を行う、などが主な内容となります。
1)4病床機能の相互連携の具体例(地域・高齢化率・医療資源等)を教えて下さい。
2)「僻地医療拠点病院」における地域医療研修を行う研修医数(拠点毎)を教えて下さい。
                                    (島根大学)
【質問1.】
 4病床機能の相互連携の具体例(地域・高齢化率・医療資源等)を教えて下さい。
【回答1.】
 地域は、当院周辺の地区(23区内東部・北部など)が主な連携地域となります。高齢化率については、30%以上と推定しております。実習施設としては、診療所、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所等にご協力いただいております。

【質問2.】
 「僻地医療拠点病院」における地域医療研修を行う研修医数(拠点毎)を教えて下さい。
【回答2.】
 2022年度の実績と予定を以下に示します。

 秋田県 男鹿みなと市民病院 3名
 新潟県 佐渡総合病院    2名
     新潟県立津川病院  6名
 石川県 珠洲市総合病院   2名
     輪島市立輪島病院  2名
     公立宇出津総合病院 2名
     公立穴水総合病院  6名

 高知県 大月病院      1名
 長崎県 青洲会病院     5名

 第10回 京都大学の掲載記事(R4.7.25掲載)への感想・質問
1)京都大学を卒業後に府内で臨床研修を開始する卒業生の割合はどの程度でしょうか。
2)地域医療ビジョンで府立医科大学と協力・連携する場合、どのような部署が窓口となって具体的内容を調整するのでしょうか。
3)京都大学と京都府立医大 、それぞれの役割分担といったものがあるのでしょうか。
                                   (新潟大学)
【質問1.】
 京都大学を卒業後に府内で臨床研修を開始する卒業生の割合はどの程度でしょうか。
【回答1.】
 卒業年度によって人数に変動はあるのですが、京都大学医学部卒業生のうち、京都府内の臨床研修プログラムに所属する卒業生が約2割~3割程度です。また、臨床研修修了後に大学院生として本学に戻ってくる学生としては、年度により変動はあり、帰学のタイミングにもバラつきはあるのですが、約6~7割程度です。卒後5~7年目に大学院に戻る卒業生が最も多いです。


【質問2.】
 地域医療ビジョンで府立医科大学と協力・連携する場合、どのような部署が窓口となって具体的内容を調整するのでしょうか。
【回答2.】
 
地域医療連携業務については、京都大学医学部附属病院の地域ネットワーク医療部および地域医療連携室が窓口となって具体的内容を担当しています。
https://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/department/management/cncm-cno.html(地域ネットワーク医療部ホームページアドレス)

【質問3.】
 京都大学と京都府立医大 、それぞれの役割分担といったものがあるのでしょうか。
【回答3.】
 京都市域地域医療構想調整会議では、京都大学医学部附属病院は、特定機能病院として質の高い医療を全国の患者に提供することを理念とし、全ての病床を高度急性期としています。高度急性期医療を提供するべく、二次医療圏以外からの重症患者受け入れに関しても積極的に役割を担っています。また、質の高い医療を提供するために、臨床研究中核病院として新しい医療の研究・開発を担い、iPS細胞等の医療への応用を目指しています。
 京都府立医科大学附属病院では、病床機能区分では高度急性期機能を中心に高度医療を提供されています。特定機能病院として、高度で重症度の高い患者診療に集中できるよう、新たな地域医療連携の枠組みによる地域の基幹病院としての役割を果たされています。
 これら2つの大学病院では、上記の様なそれぞれの特徴を活かしながら、地域医療構想における地域医療機関との連携のなかで大学病院に求められる役割を分担し、協力して推進しています。


第9回 山口大学の掲載記事(R4.6.24掲載)への感想・質問  

1) 地域医療実習の満足度は年々高くなってきているようですが、どの様な工夫をされているのでしょうか?
2) 山口県の医師不足改善のためには、山口県出身の医学部進学者数が増えることが重要と思いますが、その点についてはどのような状況でしょうか?

3)4年次からの臨床実習における地域医療機関での実習と6年時の地域医療実習の違いはどのような点でしょうか?

4)図3のアンケート結果は6年生からの回答でしょうか? この結果と山口県内での臨床研修医数の変動との関連はいかがでしょうか?
5)地域医療実習のどのような部分が満足で、あるいはどのような点が今後の改善課題でしょうか?
                                    (新潟大学)

【質問1.】
 地域医療実習の満足度は年々高くなってきているようですが、どの様な工夫をされているのでしょうか?
【回答1.】
 実習前に、学生に対し実習の意義や注意点などを詳細かつ丁寧に説明しています。また指導医向け説明会を毎年開催し(近年はWeb)、指導医側の理解と協力を得るようにしています。実習期間中は、教員ができるだけ全施設を巡回するように努力しており、指導医、実習生、担当教員での対話を重ねています。

【質問2.】
 山口県の医師不足改善のためには、山口県出身の医学部進学者数が増えることが重要と思いますが、その点についてはどのような状況でしょうか?
【回答2.】

 地域枠(修学資金貸与なし)や特別枠(緊急医師確保対策枠と地域医療再生枠:修学資金貸与あり)の入学定員について随時検討を重ねています。
 また、山口県出身で医師を志す高校生への働きかけとして、主に県内の高校を中心に、教員が現地に出向き、入試要項、キャリア形成などの説明会を開催しています。

 それ以外にも山口県の中高校生を対象にした医師体験実習を山口県医師会と協働で開催し、「医学部を目指すなら山口大へ」という機運を盛り上げています。

【質問3.】
 4年次からの臨床実習における地域医療機関での実習と6年次の地域医療実習の違いはどのような点でしょうか?

【回答3.】
 前者では、該当診療科で2週間のローテート実習のうちの1日を使い、その診療科の関連病院で学外実習を行うものです。後者は、学生が希望した診療部門のクリニックや地域病院で、1週間の学外実習を行うものです。ローテート実習と選択実習、実習期間、最終学年となり実習内容がより実践的であることなどが相違点となります。
 これら以外にも5年次3学期からの臨床実習(選択制、6週間×4診療科)では県内の臨床修練研修指定病院へ積極的に学生を派遣しています。

【質問4.】
 図3のアンケート結果は6年生からの回答でしょうか? この結果と山口県内での臨
床研修医数の変動との関連はいかがでしょうか?
【回答4.】
 
6年生からの回答です。アンケートで好意的な回答が増加し、また山口県内の臨床研修医数も増加傾向にありますが、これらの直接の関連性については分かりかねます。

【質問5.】
 地域医療実習のどのような部分が満足で、あるいはどのような点が今後の改善課題でしょうか?
【回答5.】
 プライマリー領域の様々な症例や手技を経験できることや、往診、地域保険など大学病院や基幹病院とは異なる経験ができることが満足なところとしてよくあげられます。また、熱心な指導医からの説明やディスカッションも学生には好意的です。
 一方、忙しいクリニックでは十分な指導時間が確保できないこと、実習時期によっては都合が悪い施設もあること、指導医から見てまだ学生の技能が満足なレベルに達していない場合があることなどが今後の改善課題と考えています。


第8回 三重大学の掲載記事(R4.5.24掲載)への感想・質問 

・地域枠Bの倍率はどのくらいでしょうか? また医学部が指定する医師不足地域から地域枠B以外で入学する方はどの程度いるのでしょうか?
・地域枠Aと地域枠Bとの学力差は問題ないでしょうか?
・県外出身者を地域枠等に募集する可能性はいかがでしょうか?
・地域基盤型保健医療教育には県庁がかなり関わっているとのことですが、学内で関わっている組織、スタッフを教えてください。また実際に実践される地域貢献活動にはどのようなものがあるか教えてください。

・県内研修医増には地域枠の増員が直結していると思いますが、一方で、臨床研修の改善等による県外流出の減少という要因についてはいかがでしょうか?
・卒後も教育センターがキャリア支援に係ることのできる体制は素晴らしいと感じます。当然業務量が増えますが、センターの体制(人数、職種、財源など)をお教えいただけますか?
・初期臨床研修から専門研修に移行する段階で2割程度の流出があるとのことですが、これについて何らかの手立ては講じておられるのでしょうか?
                                    (新潟大学)

【質問1.】
 地域枠Bの倍率はどのくらいでしょうか? また医学部が指定する医師不足地域から地域枠B以外で入学する方はどの程度いるのでしょうか?

【回答1.】
 大学が指定する医師不足地域には、15市町村(うち2市については、それぞれの市の地域を限定)が含まれます。毎年度の地域枠B入試では、各市町村が推薦できる志願者数を2名以内としていますので、最大でも30名ということになります。しかし、18歳人口が非常に減少している市町村ですので、毎年、それぞれの市町村に被推薦者がいる状況ではありません。過去3年間の志願者数は14-17名でした(2.3-3.0倍)。そのうち大学入試センター試験/大学入学共通テストの結果に基づく第一次選考後に第二次選考の対象になった志願者数は8-10名(第二次選考倍率1.3-2.0倍)でした。過去3年間に全県対象の地域Aあるいは一般入試で入学した地域B指定地域の出身者は、4-5名でした。

【質問2.】
 地域枠Aと地域枠Bとの学力差は問題ないでしょうか?

【回答2.】

 
進級率と医師国家試験合格率に差はありません。地域枠と一般入試(推薦、前期日程、後期日程)との間にも上記の指標に差はありません。むしろ地域枠Bの方が国家試験合格率は良好です。その理由の一つとして、誠実な学習態度があると考えています。実際の授業での成績分布では、地域枠B学生の成績は、上位から下位まで広く分布しています。しかし、留年、国家試験不合格となる最下位層はいないという状況です。1学年5名の地域枠B学生が、下位に集中することはありません。上位5名以内に入り、卒業時に学長表彰を受けた学生もいます。入学者選抜において、地域AとBとの成績に大きな乖離がないように一定の配慮をしています。従って、年度によっては5名の地域枠B学生をとれないこともあります。このことも学力差がない一因かもしれません。

【質問3.】
 県外出身者を地域枠等に募集する可能性はいかがでしょうか?
【回答3.】
 本学の場合、推薦入試である地域枠A(定員25名)、B(定員5名)以外に、前期日程75名のうち5名を三重県地域医療枠として受け入れており、この地域枠には県外者も応募できます。過去3年間の県外からの入学者数は1-2名です。多様な学生を受け入れるという観点から県外からも一定数の地域枠学生を受け入れるべきであると考えています。


【質問4.】
 地域基盤型保健医療教育には県庁がかなり関わっているとのことですが、学内で関わっている組織、スタッフを教えてください。また実際に実践される地域貢献活動にはどのようなものがあるか教えてください。
【回答4.】
 
授業実施の主体となるのは、医学部医学・看護学教育センターです。センターには、教授1、准教授2、講師1が配置されています。さらに、8名の教育助教(医学科6、看護学科2)を三重県市町村振興協会からの交付金により雇用しています。これらの教育センター教員が本授業を担当しています。また、県・市町村からの寄付講座を持っている総合診療部の教員も4-5名程度協力しています。また、三重県市町村振興協会交付金から2名の授業担当事務補佐員を雇用しています。三重県庁は、主に市町村保健部門との連絡調整を担当してくれています。この授業の実施や地域枠学生の指導などについて連携するため、医学部、三重県庁、三重県市町村振興協会の3者で月例の連絡会を開催しています。
 学生による地域貢献活動としては、自治会単位での健康教室(テーマとしては、生活習慣予防、認知症対策、ロコモ予防など)、地元食材を活用した栄養改善活動、保健師活動の補助としてのがん検診受診促進パンフレットの作成、学校・幼稚園での食育、若い母親を対象にした乳幼児の一次救急蘇生講習会などです。


【質問5.】
 県内研修医増には地域枠の増員が直結していると思いますが、一方で、臨床研修の改善等による県外流出の減少という要因についてはいかがでしょうか?
【回答5.】
 
臨床研修の充実が、県内研修医数の増加に寄与していると思います。特に、県内の全ての研修病院が、NPO法人MMC(Mie Medical Complex)卒後臨床研修センターを組織し、県内での研修のフレキシビリティを高めるプログラムを導入したことなどが有効に作用したと考えています。

【質問6.】
 卒後も教育センターがキャリア支援に係ることのできる体制は素晴らしいと感じます。当然業務量が増えますが、センターの体制(人数、職種、財源など)をお教えいただけますか?

【回答6.】
 人員は上述の通りです。地域医療教育/地域枠学生指導の財源は三重県市町村振興協会からの交付金を活用しています。業務量についてですが、教育センターの活動の対象は学部学生が中心です。学生、初期臨床研修医、専門研修医の指導は、教育センター、附属病院臨床研修キャリア支援部、三重県地域医療支援センター、MMC卒後臨床研修センターの4者が協力して担当していますが、主たる担当部門は徐々に移行していきます。

【質問7.】
 初期臨床研修から専門研修に移行する段階で2割程度の流出があるとのことですが、これについて何らかの手立ては講じておられるのでしょうか?
【回答7.】
 
三重県内で初期臨床研修を行う研修医の80%以上は大学病院以外を選択しています。一方、三重県内の専門研修プログラムの多くは大学病院のプログラムです。そのため、大学病院以外で初期臨床研修中の研修医に対する専門研修プログラムの周知や同プログラムへの誘導が重要である考えています。関連病院長会議やMMC卒後臨床研修センターの活動の中で、初期臨床研修医へのアプローチを強化しています。最も重要なことは、魅力ある専門研修プログラムの提示と指導体制の充実であると考えています。専門研修プログラムの継続的な改善に取り組んでいます。

第7回 神戸大学の掲載記事(R4.4.25掲載)への感想・質問 

・1年次のIPW、2年次の福祉施設、3年次の特別支援学校や福祉施設、4年次の在宅ケアなど体系立てた実習は素晴らしいと思います。実際にどの程度の時間数で、どのように実施しているかをお示しいただけるとありがたいです。
・診療科指定の地域枠の遵守率はどの程度でしょうか? 特定診療科以外の科を希望した場合はどの様に対応されるのでしょうか?

・地域枠医師の卒後の配置調整については神戸大学内の地域医療支援センターが関わっているとのことですが、センターが入局先の医局との調整を行うのでしょうか?

・へき地医療機関を含めた医療機関で従事する、多職種を育成するという目的が素晴らしいと感じました。

現時点で、エキスパートメディカルスタッフ育成センター、歯科医療トレーニングセンターなどを設立されておられますが、スタッフ育成センターでの具体的な活動内容、多職種がこのセンター内で一緒に学ぶ内容、研修する項目、等がありましたらご教示ください。

・兵庫県には周辺県の多くの医学部から医師派遣もあると思いますが、そのような環境が兵庫県の地域枠学生等の指導に与える影響についてご教示ください。
                                   (新潟大学)
 

【神戸大学からの回答】
【質問1.】
 1年次のIPW、2年次の福祉施設、3年次の特別支援学校や福祉施設、4年次の在宅ケアなど体系立てた実習は素晴らしいと思います。実際にどの程度の時間数で、どのように実施しているかをお示しいただけるとありがたいです。
【回答1.】

 時間数については、以下の通りです。いずれもオリエンテーションと振り返り学修を含みます。
・1年次のIPW(初期体験臨床実習): 計5日(1週)

・2年次の介護施設(早期臨床実習1): 計5日(1週)
・3年次の特別支援学校や福祉施設(早期臨床実習2): 計5日(1週)
・4年次の在宅ケア(地域社会医学実習) : 計7日


実習先と実習内容については、
・IPW担当教員や保健学科教員が相談して、京阪神地区を中心に協力病院を募り、手を挙げて頂いた施設に受け入れをお願いしています。
・介護施設、特別支援学校、訪問ケア実習については、本学の医学教育関係教員が自治体や業界団体を通じて協力施設を募り、ご協力頂ける施設を探しました。
・初期臨床実習以外の教育内容については、本学教員が実習担当者を招いて実習の趣旨を述べる説明会を開いて、学生に評判の良い施設の方にプレゼンいただくなどのFD/意見交換会/説明会を毎年開いています。一方、初期体験臨床実習については、FD/説明会の類は行っていません。教育内容は実習先にお任せしていますが、チーム医療の実際がわかるような実習にしていただきたいとお願いしており、各病院の実習内容の概要を集めてパンフレットにして学生に配布しています。
・どの実習でも、学生には実習先を選べません(自宅からの通いやすさで事務が実習先を割り振っています)。


【質問2.】
 診療科指定の地域枠の遵守率はどの程度でしょうか? 特定診療科以外の科を希望した場合はどの様に対応されるのでしょうか?
【回答2.】
 本学は10名の臨時定員増として地域枠を募集しておりますが、診療科指定枠ではありません。地域枠も一般枠と同じように、初期研修が終わる頃に自分が進みたい診療科を選ぶことになっています。その際、現時点で制度上認められているのは、内科、総合診療科、特定診療科(小・産・外・整・救)です。へき地には内科や総合診療が必要なので、内科と総合診療科志望者が半数以下になると種々の問題が生じることになりますが、その場合は特定診療科の人数制限をかけることも検討しています。ただ、これまでのところ制限をかけなくても、なんとかうまく回っています。
 もし、小・産・外・整・救以外の診療科に進みたければ、後期研修期間(卒後6-7年目)と義務年限後(10年目以降)に研修してもらうことにしています。この場合は専門医の取得は通常より遅れることになります。


【質問3.】
 地域枠医師の卒後の配置調整については神戸大学内の地域医療支援センターが関わっているとのことですが、センターが入局先の医局との調整を行うのでしょうか?
【回答3.】
 
神戸大学には兵庫県庁の身分をもつ特命教授が複数おり、神戸大学地域医療活性化センター(=兵庫県地域医療支援センター)を中心としてキャリア形成支援を行なっています。実際には、二人の特命教授が入局先の医局との交渉を随時行なって、養成医制度と医局人事・本人希望との調整を行なっています。県庁と神戸大学が緊密に連携できるという点で、このやり方はうまくいっています。

【質問4.】
 へき地医療機関を含めた医療機関で従事する、多職種を育成するという目的が素晴らしいと感じました。
現時点で、エキスパートメディカルスタッフ育成センター、歯科医療トレーニングセンターなどを設立されておられますが、スタッフ育成センターでの具体的な活動内容、多職種がこのセンター内で一緒に学ぶ内容、研修する項目、等がありましたらご教示ください。

【回答4.】
 
エキスパートメディカルスタッフ育成センターや歯科医療トレーニングセンターなどは、地域枠学生・医師のためだけのものではなく、県内の地域医療に関わる医師とメディカルスタッフを対象とした地域医療人材育成事業です。神戸大学と兵庫県が一体となって、地域医療人材の卒前から卒後の教育研修を担うことにより、へき地を含めた県内の医療機関に勤務する優秀な医療者を養成することを目指しています。例えば、エキスパートメディカルスタッフ育成センターでは、県内の医療機関に従事するメディカルスタッフ(多職種)に、2-4週間フルタイムで神戸大学医学部附属病院に実習に来て頂き、高度で専門的な知識や技能を習得して頂いております。現時点のコースは、①災害・救急医療、②感染症医療、③周産期医療、④高齢者医療、⑤がん医療、⑥排泄医療、⑦栄養医療、⑧看護医療の8つのコースがあります。個々の内容は多様すぎて簡単に説明できないので、過去の活動報告書(コロナの影響をうけたR2年度と、コロナ前のH29年度)を添付いたしますのでご参照ください。

【質問5.】
 兵庫県には周辺県の多くの医学部から医師派遣もあると思いますが、そのような環境が兵庫県の地域枠学生等の指導に与える影響についてご教示ください。
【回答5.】
 ご指摘の通り、兵庫県とくに都市部の大病院には他府県の大学の関連病院が多く、これらの病院には研修医が集まる人気病院が多いです。しかし、これらの病院で初期・後期研修すると、その後は県外の大学に入局してしまうことが多いので、若手医師の県内定着を進める観点から難しい問題を抱えています。簡単な解決策はありませんが、この件については県庁と神戸大学は極めて密に連携しており、地域枠学生・研修医の教育体制の充実、待遇の改善、学術活動の支援などを通じて、地域の病院でも都会の大病院と比べて遜色のない研修ができるように配慮しています。また、地域枠医師に対して、上記の特定診療科(小・産・外・整・救)を認めたのも、そのようなキャリア支援の一環でもあります。また、義務年限後も、本人が希望すれば県立病院や公的病院(都会でもOK)での就職を斡旋する制度を作っています。このような複合的な支援を行なっても、都会の魅力にはなかなか勝てませんが、義務年限からの離脱防止や義務年限後の流出防止においては、少なくとも予想以上の効果は出ていると実感しています。  


第6回 愛媛大学の掲載記事(R4.3.25掲載)への感想・質問 
・各分野の専門医が地域で実習中の学生の指導等を行うという、素晴らしい地域医療指導体制と感じました。図1のシームレスな教育連携について、卒前、卒後、生涯教育の連携の具体例を御教示いただきたく存じます。
・地域医療支援センターは、組織図を拝見する限り、地域枠卒業生にのみ関わるように見られますが、学内に設置されているのでしょうか。それとも県庁内になりますでしょうか。県内の他の基幹型研修病院で研修中の卒業生へも関わっているのでしょうか。卒前の地域枠学生への関与はないのでしょうか。
・様々な機関や講座と行政の円滑な連携のために、地域医療支援センターなどで、愛媛県職員や自治医科大学卒業生などと協働する体制を構築されておられるのでしょうか。
・とても多くの寄附講座を設置されており、関連医療機関等の地域医療への理解が深いことを感じました。これらの講座と連携して、卒前卒後教育を拡充するために、定期的なミーティング等を行われているのでしょうか。
・「戦略型」と「提案型」の違いについて、追加説明いただけますでしょうか。
                                     (新潟大学)
  
【愛媛大学からの回答】
【質問1.】
 各分野の専門医が地域で実習中の学生の指導等を行うという、素晴らしい地域医療指導体制と感じました。図1のシームレスな教育連携について、卒前、卒後、生涯教育の連携の具体例を御教示いただきたく存じます。
【回答1.】
 総合医学教育センター長が総合臨床研修センター運営委員会委員を、総合臨床研修センター長が教務委員会委員を務めるなど、「総合医学教育センター」「総合臨床研修センター」「専門研修プログラム」のそれぞれの運営に相互に参画し合うことで情報共有ができており、シームレスな教育連携が可能となっています。例えば、OSCEやPCC OSCEには総合医学教育センター及び総合臨床研修センターが連携して関与し、専門研修プログラムへの移行に関する取り組みには総合臨床研修センターが関与しています。また、そのような連携体制の下、地域医療支援センターが地域枠学生の卒前卒後のキャリア形成に関わっています。

【質問2.】

 地域医療支援センターは、組織図を拝見する限り、地域枠卒業生にのみ関わるように見られますが、学内に設置されているのでしょうか。それとも県庁内になりますでしょうか。県内の他の基幹型研修病院で研修中の卒業生へも関わっているのでしょうか。卒前の地域枠学生への関与はないのでしょうか。

【回答2.】

 「地域医療支援センター」は、愛媛県の委託により愛媛大学医学部附属病院内に設置されており、医師(教員)及び
事務職員はいずれも大学の職員です。
 卒前の地域枠学生に対しては、「地域病院見学バスツアー」や「医学生サマーセミナー」等の企画や、説明会、面談、相談
対応などを行っています。
 また、他の基幹型研修病院で研修中の卒業生へも、県と合同で定期的に面談を実施し、キャリア形成支援や相談対応
を行うなど、卒前から卒後まで継続して関与しています。

【質問3.】
 様々な機関や講座と行政の円滑な連携のために、地域医療支援センターなどで、愛媛県職員や自治医科大学卒業生などと協働する体制を構築されておられるのでしょうか。
【回答3.】
 地域医療関係者との協力関係の構築のために、「地域医療支援センター運営委員会」の委員として、地域研修病院の
指導医や県医師会、行政機関の代表者等を指定しており、その中に自治医科大学OBや愛媛県職員が含まれています。委員会の審議内容に関連して、日頃から連携を密にとり地域医療に関する意見交換等を行っています。

【質問4.】
 とても多くの寄附講座を設置されており、関連医療機関等の地域医療への理解が深いことを感じました。これらの講座と連携して、卒前卒後教育を拡充するために、定期的なミーティング等を行われているのでしょうか。
【回答4.】
 
定期的なミーティング等は行っていませんが、必要に応じて地域医療の教育等に関する事項を審議する場として、地域医療関係寄附講座教授、病院長や教務委員会委員長等で組織する委員会を設置しています。
 また、コロナ感染拡大前には、年1回関係者が集まって報告会を開催しており、地域医療関係寄附講座等の取組を紹介
するとともに、地域医療に関するテーマで討論を行っております。

【質問5.】
 「戦略型」と「提案型」の違いについて、追加説明いただけますでしょうか。
【回答5.】
 愛媛大学大学院医学系研究科が承認した将来計画等に基づいて設置する寄附講座を「戦略型」、講座等の提案に基づ
いて設置する寄附講座を「提案型」と区分しています。


第5回 名古屋大学の掲載記事(R4.2.25掲載)への感想・質問

 Academic physician養成の取り組みを興味深く拝見しました。
 地域枠学生は全員が5か月間の基礎医学セミナーで貴講座に配属される、ということですが、

・学生指導は、貴講座の教員がマンツーマンでされるのでしょうか(その場合、何名ほどのスタッフで)? あるいは、他の講座と連携して指導されるのでしょうか?
・卒業後、地域枠出身医師で、研究に従事したり、博士課程に入学した方がいらっしゃれば、お教えください。
                                     (新潟大学)
 

【名古屋大学からの回答】
【質問1.】
 地域枠学生は全員が5か月間の基礎医学セミナーで貴講座に配属される、ということですが、学生指導は、貴講座の教員がマンツーマンでされるのでしょうか(その場合、何名ほどのスタッフで)? あるいは、他の講座と連携して指導されるのでしょうか?
【回答1.】
 基礎医学セミナーにおける学生指導について
 当講座には私を含めて3人の教員が所属しており、この3人で講座に配属される地域枠学生を指導しております。
 講座に配属される地域枠学生は例年5人ですが、留年等の関係で、年度によって3~6人と変動があります。
 学生一人ずつに指導教員がマンツーマンでつきますが、量的研究の手法を学ぶ統計セミナーや質的研究の手法を学ぶワークショップ、毎週のリサーチミーティング、学生が持ち回りでおこなう抄読会(ジャーナルクラブ)、教員から抄録・スライドの作り方や発表の技法を教えるファカルティ―アワーなどは、全員参加で実施しております。
 私の着任以前には、他の講座の教員と連携して指導にあたった学生の例もあったと聞いております。(研究テーマに対する学生の希望などに応じて。)


【質問2.】
 卒業後、地域枠出身医師で、研究に従事したり、博士課程に入学した方がいらっしゃれば、お教えください。
【回答2.】

 名古屋大学の地域枠は、現在1期生が卒後7年目を迎えております。
 現在までに博士課程に入学したのは、大学5年生で一旦休学し、MD-PhDコースに入学した者1名です。当該学生は、愛知県や大学と相談を重ね、了解を得た後、試験を受けて4年間のMD-PhDコースに入りました。現在までに、数本の英文筆頭論文を発表しております。
 入局している卒業生は少なくありませんが、まだ大学院に入学したという話は聞いておりません。
 ただ、市中病院で初期・後期研修中に、市中病院の先生方から指導を受けて、和文・英文で症例報告や総説、原著論文を発表している卒業生も少なくありません。


第4回 香川大学の掲載記事(R4.1.27掲載)への感想・質問 
【質問1.】
 DXでVRを活用した地域医療実習とありますが、具体的にどのような実習を行うのでしょうか?
【質問2.】
 各高校でトップにいる生徒等の学校推薦枠での選抜との意見が述べられていますが、学力試験や面接以外にどのような方法を検討されているのでしょうか?このような形での入学選抜について、社会のコンセンサスを得るためにどのような検討をされているでしょうか?
                                      (新潟大学)
 
【香川大学からの回答】
【質問1.】
 DXでVRを活用した地域医療実習とありますが、具体的にどのような実習を行うのでしょうか?
【回答1.】

 国家戦略としてのデジタルトランスフォーメーションDX化は、教育の分野でも取り入れられつつあります。地域医療活動をカメラで撮影しVR(virtual reality)動画として編集し、それをオンデマンド方式で大学間で相互利用可能なシステムを構築すれば、県内だけでなく広域の地域医療の特性を遠隔で学ぶことが可能になります。実習先は、県内に限られるのが一般的ですが、このシステムがあれば、県外の事情などを効率的に学ぶことが出来ます。また、DX化が高度に進めば、リアルタイムで遠隔の実習に参加可能になり、今後の実習の拡がりが期待されます。
【質問2.】
 各高校でトップにいる生徒等の学校推薦枠での選抜との意見が述べられていますが、学力試験や面接以外にどのような方法を検討されているのでしょうか?このような形での入学選抜について、社会のコンセンサスを得るためにどのような検討をされているでしょうか?
【回答2.】

 現在、国・公立大学法人医学部の入試には、学校推薦指定枠は存在しません(私立大学にはあります)。学力試験や面接に加え、高校側(校長や担任教師)の責任で、将来医師たるに必要な「資質を備えた人材」を推薦できる制度設計が必要となります。
 国・公立大学法人医学部に、学校推薦指定枠がない理由は、不明です。国・公立大学法人である以上、全ての国民・県民に公平・公正な入試を実施していることを重視しているためと推測できます。しかし、一方でどの高校に進学しても一定の割合で医学部に進学出来るチャンスが確保されるべきという考え方もありますが、我が国では現在、このような発想には至っていません。欧米ではこの方針で選抜している大学があることを伝聞したことがあります。地域や人種などによる教育格差が顕著であることが理由と思われます。我が国では幸いなことに、そこまで顕著な格差はないとされています。現在、社会からコンセンサスを得るための具体的な検討には至っていませんが、社会がこのような思考にシフトしていくことを望んでいます。
 

【感想】
 (一部抜粋)「トップクラスの進学校からの学生でなくとも、その高校でトップでいるには成績や生活態度、課外活動など多方面で認められ、人望の篤い人材でなくてはならないことは明らかであろう。こういう人材を学校推薦枠などでとることが可能になればと思っている。」
 三木医学部長の構想を是非、医学部長の在職中に実現させていただきたい。香川県は三木医学部長がおっしゃっているように面積は狭い県でR2.10.1現在で人口が約126万人の県です。東讃・中讃・西讃地区の高校には有名進学校でない高校にも該当者は必ずいると思います。
 また、香川県内島しょ部のへき地と呼ばれるところには多数の高齢者がいらっしゃいます。少しでもその方たちの支援ができる医療体制の確立することをご検討いただきたい。
                                      (匿名希望)
  

 心のこもった感想と励ましのお言葉を頂き有り難うございました。士気が強くなりました。

 地域医療に身を置く医療人に求められる特性は、大病院の医師のそれとは大きく違っているように感じます。病気を治すだけではなく、地域住民の暮らしを体感して、住民の生の営みを包括的に理解できなければ地域に根ざした医療は展開できないと考えられるからです。私自身は、これから数十年先の地域医療を支える医師には、地域住民とくに、高齢者を「愛(いと)おしく想える心」が備わっていることが求められていると思っています。

 このような事情が分かって、地域に貢献したいという強い想いのある高校生こそ地域枠で入学してくるべきだと考えています。医学部入試はどのような選抜であっても学力の担保はされるべきではありますが、強い志があれば少しの学力の劣勢は充分補えると考えます。どうしても医師になりたくて、3浪の末入学した学生が私の研究室で研究しています。出身は香川県内の公立高校で、医学部に入学者を出したのは30数年ぶりと聞いています。目的意識が明確で、モチベーションも高く、成績優秀です。このような学生を、目の当たりにして改めて、高校推薦枠の必要性を感じた次第です。私信を含めて回答させて頂きました。
 


第3回 山梨大学の掲載記事(R3.12.24掲載)への感想・質問 
 山梨県知事からの医療ビジョンの講義とのことですが、地域枠だけで無く他県出身の学生も対象になるのでしょうか。また、学生の反応などが分かりましたらご教示ください。
 6年次の社会医学実習で県庁や保健所クリニックへ出向くとのことですが、これは全員必修になりますか?また期間はどの程度になりますか?
 ステークホルダーミーティングの参加者、規模(人数や頻度)、内容についてご教示ください。
 シミュレータを用いた臨床医の指導はどのようなスタイルで形成されるご予定でしょうか。
                                      (新潟大学)
【山梨大学からの回答】
【質問1.】
 山梨県知事からの医療ビジョンの講義とのことですが、地域枠だけで無く他県出身の学生も対象になるのでしょうか。また、学生の反応などが分かりましたらご教示ください。
【回答1.】
 知事の授業は全学共通科目の「社会の中の医療・医学」の中で行われています。そのため、この授業を選択すれば全ての学部生が受講できます。ただし、医学科だけは必修科目に指定されていますので、今年度は医学科125人、その他の学部25人でした。授業アンケートは年度末ですが、マスコミのインタビューに答えていた学生は非常に良かったとのことでした


【質問2.】
 6年次の社会医学実習で県庁や保健所クリニックへ出向くとのことですが、これは全員必修になりますか?また期間はどの程度になりますか?
【回答2.】
 社会医学の実習は現状では3つのグループに分かれおり、東日本大震災の被災地域、地域のクリニック、厚労省など行政機関等が派遣先となっております。したがって全員ではありません。研究テーマを与えられ、最後の報告会まで行っておりますので、実際に訪問しているのは数日間です。

【質問3.】
 ステークホルダーミーティングの参加者、規模(人数や頻度)、内容についてご教示ください。
【回答3.】
 学識経験者やEIP(学生教育改善プロジェクトへの参画学生)、各学部の卒業生(概ね修士課程在籍者)等が参加しています。コロナで開催が延期されてきて、まだ始まったばかりであり、今後メンバーの追加を想定しています。特に県立大学等の他大学の教育関係者には入っていただくことにしています。

【質問4.】

 シミュレータを用いた臨床医の指導はどのようなスタイルで形成されるご予定でしょうか。
【回答4.】
 シミュレーションセンターを利用した実習は、現状では各診療科毎に指導されています。山梨大学附属病院では、病院再開発事業を行っており、病棟
期(来年度完成予定)においてシミュレーションセンターの拡張が予定されています。完成した後には、看護学科との合同演習を行うことを決定している等さらに活用していく予定です。また、学外の関連施設の指導医にも参加していただく構想がありますが、まだ具体的な検討までは進んでおりません。
 


第2回 広島大学の掲載記事(R3.11.25掲載)への感想・質問

 ふるさと枠入学者1-4年生(合計72名)に対する毎週水曜日のランチョンセミナーやグループワークは、指導教員の情熱を感じるすばらしい取り組みと思います。
 一般枠入学者の中にも地元高校出身の学生も多いと思いますが(全体の55%が広島出身でふるさと枠は全体の15%)、これらの学生も参加できるような仕組みにしているのでしょうか?

 また、今後、ふるさと枠に県外高等学校出身者を入学可能とする可能性は検討していますでしょうか?

ふるさと枠の卒後9年間の義務年限のうちの4年間のうち、中山間地で勤務する時期(卒後何年目など)について指定があるでしょうか?

 広島県は277万人の県民人口の中で、毎年270名ほどの医学科進学を果たしています。広島大学として高校生を対象とした活動をされているでしょうか?
                                      (新潟大学)

【広島大学からの回答】

【質問1.】
 ふるさと枠入学者1-4年生(合計72名)に対する毎週水曜日のランチョンセミナーやグループワークは、指導教員の情熱を感じるすばらしい取り組みと思います。

 一般枠入学者の中にも地元高校出身の学生も多いと思いますが(全体の55%が広島出身でふるさと枠は全体の15%)、これらの学生も参加できるような仕組みにしているのでしょうか?

【回答1.】

 本学の取り組みにご関心を寄せて頂き、ありがとうございます。ご指摘のセミナーにつきまして、ふるさと枠学生の出席は必須としておりますが、一般入学の学生に対しては特に周知等しておらず、現在参加者はございません。もちろん断っているわけではありませんので、過去に自ら希望して参加し続けた一般学生もおりましたが、ごく少数です。

【質問2.】
 今後、ふるさと枠に県外高等学校出身者を入学可能とする可能性は検討していますでしょうか?

【回答2.】
 幸い今のところ、県内高校出身者のみで定員を充足できていることから、県外に門戸を広げる予定はございません。

【質問3.】
 ふるさと枠の卒後9年間の義務年限のうちの4年間のうち、中山間地で勤務する時期(卒後何年目など)について指定があるでしょうか?
【回答3.】
 指定はございません。なるべく早く、と各医局にお願いしておりますが、専門医取得のため中山間地勤務、特に中山間地の小病院勤務が後回しにされてしまう傾向はございます。本人のキャリアを考慮し、広島県としては医局および本人に無理強いはしておりませんが、一部の中山間地病院や自治体からはまだ医師が来ないのかと督促を受けている状況もあり、課題として認識しております。

【質問4.】
 広島県は277万人の県民人口の中で、毎年270名ほどの医学科進学を果たしています。広島大学として高校生を対象とした活動をされているでしょうか?

【回答4.】
 広島県が特別医学部進学者が多いとは認識しておりませんでした。高校生に医学部進学を促すような活動もないと思われます。もし多いのだとしますと、それは伝統的に私立と国立の中高一貫校が進学に強く、医学部合格者のほとんどがこれら一貫校から出ていることと何か関係があるかもしれません。進度が早く、6年かけて受験の準備をするような学校に県内の優秀層が集中しておりますので、県外の高校生に比べて多少有利に働くのかもしれません。
 


第1回 佐賀大学の掲載記事(R3.10.25掲載)への感想・質問

 若年層医師の減少、勤務医・開業医の高齢化などは多くの県に通じる課題であり、「総合的な診療能力を有する医師の育成」が求められているところは首肯するところです。
 指導医側の意識の変革はとても重要で、指導法やマネジメントの習得が大事と感じます。一方で、指導医層の(中堅医師)心理的、身体的負担が増えることもケアの対象となる印象があり、指導を受ける若い医師だけでなく、中堅層も新しい教育を受ける機会やサバティカルのようなフィードバックがあると、長期的なやりがいに繋がるのかな、とも感じました。この点について、検討されている点がありましたらご教示ください。
 佐賀県のように医師多数県であっても、2016年→2018年の間の医師数の増加が1名に留まっていること、更に医師の定着を図るべく様々な工夫をしていることに驚きました。また全国的には恐らく需要が減ると認識されている「高度急性期機能」について、佐賀県では需要増加を見込んでいるというのも驚きました。この点に関連して、下記に佐賀県の平成30年度病床機能報告の結果が載っています。

https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00371358/index.html

 5つの二次医療圏のうち2つで2025年に向けて高度急性期の病床を増やしたいという予定が挙げられています。また佐賀県が出している「令和元年度、2年度病床機能報告等の集計結果」(下記URL)にも詳細なデータが載っていますが、高度急性期病床の充足率は医療機関の希望から計算されたものなのか、人口動態から割り出された必要数なのか、よく分かりませんでした。この資料の5ページの必要病床数で高度急性期の充足率は確かに極端に低い数値なのですが、一方で8ページでは、病床利用率は高度急性期が最も低くなっているあたりに解離を感じました。

https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00380320/3_80320_203507_up_k3ks02bk.pdf

 どういった背景があるのかご教示いただけるとありがたいです。
                                         (新潟大学)

【佐賀大学からの回答】

ご意見、ご質問誠にありがとうございます。
 確かに医師臨床研修制度が必修化されたことにより、研修医の指導のみならず、従来各診療科の研修医が一部を担っていた臨床実習生の屋根瓦的指導も、その診療科の中堅医師の仕事になった印象があります。少なくともこれまでのように、臨床現場で忙しい中堅医師に、学生や研修医の指導すべてを押し付けることは考え直す必要があります。

 臨床現場の指導医の負担を減らすためには臨床医である教育専任指導医の存在が必要と思われます。現場の中堅層と同じ目線に立ち、共に教育を行い、共に医師の確保を考え、医局員を増やすことが、中堅層の長期的なやりがいに繋がると考えております。

 現在佐賀大学では個人の活動実績報告、自己点検評価に関して、教育業績もアピールできるようになっていますが、残念ながら研究業績の時のような論文数やインパクトファクターといった指標がありません。臨床現場の指導医に関しては、教育業績を正当に評価することが必要と思われます。


 佐賀県の医師需要に関しては、次の3つの視点から高度急性期機能の需要増を見込んでおります。ご参照ください。

①高度急性期の入院需要
 2013年に比較し2025年~2040年の高度急性期医療の需要が高い状態が続くこと。(以下資料参考)

②疾患別の入院需要

 2035~2040年まで循環器系・呼吸器系・損傷その他の疾患の入院需要が増加する推計が出ており、待てない急性期(脳卒中・心疾患・外傷)の需要増に対応できる体制を整える必要があると考えられること。

③将来人口推計

 75歳以上の人口が2035~2040年頃にピークを迎える推計が出ていること。

 
図1.佐賀県
(地域医療構想策定支援ツールより)
 
 
図2.新潟県 (参考比較)
(令和3年度第1回医療政策研修会及び第1回地域医療構想アドバイザー会議に
おける資料5-1、「地域医療構想に関する新潟県での取り組み状況と課題」9Pより)